佐藤柔心斎

 女性なら誰でも迎える更年期、最近はだんだん若年化しているとか、そんな私も経験者の一人。様々な症状を改善する対処方法の一つとして太極拳を取り上げてみました。最近は更年期は男性にも起こるとか。ひと事ではないかも?

 太極拳はもともとは攻防一体となった武術なのです。その攻防は呼吸と一致したもので、呼吸をコントロールすることがその極意です。呼吸とは自律神経でコントロールされ、無意識にできるものです。と同時に意識的に吸ったり、吐いたりもできるため、呼吸を意識的に行うことによって、無意識領域の自律神経のコントロールができるのです。

 一方、更年期障害とは女性ホルモンが足りないためにおこる自律神経失調症です!自律神経は視床下部にあります。視床下部は女性ホルモンを分泌する所であると同時に、感情をコントロールしている所でもあるため、いらいら、怒りっぽい、眠れない、めまい、動悸、息切れ、ホットフラッシュ等の様々な症状がでてきます。この症状はほとんどの場合呼吸の乱れがともないます。この症状の改善は、意識的に呼吸を行って、自律神経をコントロールすることがポイントです。太極拳の呼吸方法は”腹式呼吸”吐くときに長く行うことが重要なのです。女性ホルモンは薬でないと補えませんが、呼吸法は太極拳の動作を通じて身につけることが可能なのです。何より自分で更年期と向き合えることがとても大切な事と私は思います。太極拳は本来武術であるのですが、健康的要素がその中に秘められているのです。

 私自身が稽古をする時には、呼吸法に重点をおいた気功、太極拳を通じて更年期で起こる症状の改善を試みています。でも、この更年期障害、そんなに簡単にさよならをしてくれません。太極拳のように大河の流れの如く、ゆったり受け止めて、うまく付き合いつつ、ゆっくりゆっくり、流れに身をまかすかのように太極拳を行うこと。それが更年期をのりこえるポイントですよ。

全日本中国拳法のブログより: