クラスの紹介:
- 当道場では、古流柔術として、初代会長、佐藤金兵衛翁が創始した日本兵法大和道と古流柔術の柳生心眼流兵術を基本に指導しています。昔生きるか死ぬかの戦いがあった時代に必要とされ、実際に武士が戦場で用いていた術です。佐藤金兵衛翁は、大東流合気柔術、荒木新流柔術、一天柳心冑介流(一心流、柳心冑介流、天神真楊流 )、柳生心眼流兵術、九鬼神流、高木楊心流柔術、義鑑流骨法、武田流合気之術、浅山一伝流体術、影山流剣術などの免許皆伝を得て、その後、これらの技の粋を集大成し、昭和24年に大和道を創始しました。大和道は古流柔術の素晴らしい技法の数々を共通の原則に従って分類し、短期間に修得しやすく体系化し、実用的に整理統合されたものとなっています。その中身は、捕られた手をはずす手解き、またこれを逆に掴み返して技を施す取返しに始まって、相手の重心を崩す投げ技、関節を痛める逆捕、逆に捻って投げる逆投げ、ツボに当てる当身、首締め、居捕等に分類し、それを更に片手、両手、諸手、袖、胸、締め、打ち込み等の順にして技を体得しやすく構築されています。
- また、大和道には独特な攻防の連続技があります。これは攻防の訓練方法として構築された稽古法で、連続した技の流れの中に初伝から奥義をまでが含まれ、変化する状況の中で対応しうる実用的な技の秘伝が隠されています。これは技術の応用、展開が速く身につくようになることを促すためで、佐藤金兵衛翁の言う“一技万用”に通じる道でもあります。月曜、日曜クラスは、この佐藤金兵衛翁から直接指導を受けた高橋伸司師範の系統であり、佐藤金兵衛翁の技術と精神をできる限り忠実に伝承していこくことをモットーとしています。現代にも通用する護身術として、大和道は創意工夫、研究がなされたものですので、是非、身につけて欲しいと思います。
稽古の流れ:
1.呼吸法と立禅
- 呼吸法はまずゆっくりとした呼吸を行い、心を落ち着けるとともに武術で使う呼吸法を身につけていきます。また立禅も呼吸法を行うとともに武術を行うときの正しい姿勢を身につけていきます。武術では姿勢が大事です。とくに柔術では相手のバランスを崩すことが重視されます。相手のバランスを崩すことによって最小限の力で技がかかります。そのときに自分のバランスが崩れていたら思うように相手を崩せません。自分の体勢を崩さずに相手の体勢を崩すことが必要なのです。正しい姿勢を身につけるのに最適な練習法です。
2.基本訓練
- 突きや受けの型などを反復練習します。正しい姿勢で行うことが大事です。
3.二人組んでの基本訓練
- 相手のバランスの崩し方や力の抜き方などの練習を行います。先代の佐藤金兵衛翁が柔術を身につける上で最も重視した練習法です。この練習を、しっかり身につけられれば柔術が身に着けられたと同じと言っても過言ではありません。大和道ではとくに最小限の力で相手に技をかけることが重視しています。なぜなら真の武術というものは相手の力が強くても、また体が大きくてもうまく対処しなければならないからです。この崩しがなければ技はただの力技になってしまい、あらゆる場合に対処できないものとなってしまいます。佐藤金兵衛翁が生前行っていた練習をそのままこのクラスでは行っています。またこのクラスでは、崩し練習を効果的に身につける練習法(高橋伸司師範考案)も行っています。
4.二人組んで大和道の型の練習
- 大和道の型を練習します。技をしっかり習得できるよう反復して行います。大和道は佐藤金兵衛翁が八流派のよいところを総合して創り出したものですが、実は技の数自体それほどあるものではありません。佐藤金兵衛翁は生前、武術の技は単純なものほど実戦的で、一つの技でも習熟していろいろ対処できることが大事だと言っていました。その考えにしたがってこのクラスでは大和道を反復しながら練習しています。
5.懸かり稽古、乱捕り
- 受け手捕り手に分かれて、受け手が自由に手をつかんだり、中段を突いてきたりするのを捕り手が好きな技をかけていくという練習です。もっとも実戦的な練習です。
6.挫(ひしぎ)などの武器の訓練
- 挫(ひしぎなどの武器の素振りをします。
7.柳生心眼流の型の練習
- 柳生心眼流には体術以外にも棒術、剣術などが伝わっています。